【秋山登山withコロナ】注意すべきポイントは?
いよいよ山の秋が近づいてきました。コロナ禍で「新しい登山様式」が求められるなかで迎える秋山。何に注意したらよいのでしょうか。好日山荘おとな女子登山部のなっちゃんが、秋山に向けた準備について、教えてくれました。
こんにちは。
みなさんは今年の夏はどこの山へ登りましたか? 私は体調管理や感染症対策を意識しながら、近場の里山をハイキングして楽しみました。
毎年、「夏が終われば登山もおやすみ・・・」という声も耳にしますが、秋の山登りにも魅力がいっぱいあります!! 「食欲の秋」ということでご飯もより美味しく感じますし(笑)、夏とは違った景色も楽しめます。
その一方で、夏山とは違うリスクもあります。事前に夏山・秋山の違いをしっかり確認して、行動予定や装備を見直してみましょう!
夏山と秋山の違いは?
①日照時間が短い
「秋の日はつるべ落とし」ということわざの通り、これからの時期は日に日に日照時間が短くなってきます。日の出は遅くなり、日の入り時刻は段々と早くなります。
秋シーズンはアルプスなどの高山ではなく、近場の低山へ登る方も多くいらっしゃるかと思います。夏山では何気なく歩いていた樹林帯や谷筋も、日照時間の短い秋には15時過ぎにはとても暗く感じます。日照時間が短いことを考慮し、コースタイムに無理がないか確認も必要です。
その為、必需品であるヘッドランプは特に忘れないよう準備して頂きたいアイテムでもあります。出発前には、故障していないか・電池は入っているか・予備の電池はあるか・・・等、しっかり確認しましょう。
私はメインのヘッドランプに加え、予備のヘッドランプもエマージェンシーキットに入れています。万が一ヘッドランプが故障してしまった時に、十分な準備があると安心です。備えあれば憂いなし、ですね。
秋は台風や秋雨前線による大雨が多いシーズンです。
さらに、日照時間が短くなるにつれ、気温も低下し、天候が急変しやすく、冷たい雨が降ることもあります。北アルプスなどの高山では10月に入れば降雪することも。
日中は夏のような陽気でも、天候が崩れて雪が降ってくることもあるので、事前に天気図の確認や現地の情報を聞いて防寒着などの適切な装備の準備も必要です。
山行計画をたてる段階でも、防寒着やエマージェンシーグッズの準備・無理のないコースタイム計画・エスケープルートや避難場所の確認をしておくとより安心ですよ。
みなさんも日々の生活で、感染症対策に気をつかわれていることと思います。新しい生活様式における日々の生活を充実させるために、心と身体をリフレッシュできる登山・ハイキングを楽しみたいですよね。
その中から登山へ出掛ける際のちょっとしたアドバイスをご紹介いたします。
①「早出早着」で出掛けよう
登山の基本である「早出早着」ですが、いつもより少し早く出発して混雑しない時間帯に登るのがおすすめです。電車やバスの時間には左右されますが、自家用車で行ける近所の低山ハイキングなどは少し薄暗い時間からスタートするのも狙い目です。
ヘッドライトをしっかり装着し、薄暗い中のスタート。日が昇って行くと共に標高を上げていくのも気持ちがいいですよ。
ただし、人と時間をずらすということは、人が少ないというリスクも出てきます。
例えば・・・
・登山道を間違えないよう地図の用意、歩きながらのルートファインディングをする。
・万が一ケガをしたときは、自分自身で応急処置ができるようエマージェンシーキットの装備を整えておいておく。
・秋に行動する熊との遭遇に注意。熊鈴やラジオで音を出して歩く、熊スプレーを準備する。
など、あくまで自分でリスク回避できるよう準備をしっかり行いましょう。
早出早着を推奨していますが、慣れている山や、ケーブルカーで下山ができるなど行程を短縮できるような山では、少しスタートを遅らせて歩くことで、「密」を避けることができます。
私が8月に歩いた東京都の御岳山では、駅からのバスを1本遅らせたり、よく使われるコースとルートや時間をずらしたりすることで、お盆期間中にも関わらず、のんびり歩くことができました。
基本はあくまで「早出早着」ですが、山によっては、「時差登山」も有効ですので、使い分けましょう。
②装備の軽量化で安全登山
「新しい登山様式」では、普段の山道具に加えて、感染予防のための衛生装備が追加されます。必要なものは全て装備した上で、大きな負担にならないよう、ひとつひとつの装備の軽量化を考えてみませんか?
例えば、バックパックやトレッキングポールも、ひとつずつ見直せば、軽量化を図れます。
同じブランドのバックパックでも、モデルが違えば2Lの差はあるものの、580gも軽くできます。
バックパック自体の重さに不安のある女性は、軽量モデルを選択するのもおすすめです。しかし、軽ければいいというものではなく、軽量モデルはパッドが薄くなる等仕様もかわってくるので、お店でしっかりフィッティングして身体に合うものを選んでくださいね。
こちらも素材等を選べば1本約40gの軽量化が可能です。わずかな差に感じますが、使っていると手にかかる負担の違いが分かります。また、ご近所ハイクで使う場合、1本のみ使って軽量化させるのも手です。
折り畳み式は日帰りのバックパックにも収納できるので、電車での移動時や岩場や鎖場の通過でバックパックに外付けしないで済みます。引っかかる心配がないので、個人的にはとてもおすすめです◎
そのほかにも、バーナーやクッカーの素材、テントやシュラフなどの素材を見直すだけで少しずつ軽量化を積み重ねることができます。
無理のない範囲から、少しずつ軽量化してみてはいかがでしょうか?
③テント泊はベースキャンプ型で
今年の夏はテント泊デビューをした方がとても多かったように感じます。
テント泊の魅力については、前回、つじまいが力説してくれているので、ぜひそちらもご覧ください。
「新しい登山様式」として、おすすめしているのは「ベースキャンプ登山」です。
昨年までのような頻度で山に行けず、体力に自信がない・・・という方もいらっしゃると思います。そんな時は、いきなりテント泊縦走をするのではなく、ベースキャンプを拠点にして、山自体は日帰り装備で登ることをご提案します!
ベースキャンプ登山のおすすめフィールドは、好日山荘のホームページにも掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
今後の登山に向けて準備し、安心・安全に紅葉登山を楽しみましょう!
紅葉の山情報、装備の情報は、お近くの好日山荘スタッフにぜひご相談くださいね♪
なっちゃん(好日山荘おとな女子登山部)
埼玉県生まれ。学生時代にいわゆる「山ガールブーム」をきっかけに山登りを始める。好日山荘に入社してからは、アルプスのテント泊・雪山登山とどっぷり山浸りに。最近はハードな山行よりも、ゆったり楽しめる山登りにシフトチェンジ中。山登り+下山後の観光のちょい旅がマイブーム。好きな山域は尾瀬。
コロナ禍での「新しい登山様式」とは?